エピローグ

35歳。今日も朝が来た。カーテンから差し込む朝日が眩しい。
女でもないし、止めておけば良いのに買ってしまった鏡に反射する光が眩しくて目が覚めた。6時20分。まだ出社するには少し早い。鏡の置き場所を少し変えようか。

目が覚めてしまったので、とりあえずベットからでる。
仕事はデザイナーをやってる。なんてことを言えばカッコイイのだろうが、僕は女性にモテないのでこの年でも独身だ。とは言っても彼女がいないわけではない。

その話はまた後でするとして。洗顔の為洗面所へ行く。あくびをしながら狭い廊下をゆっくり歩く。我が家で飼ってる犬の「のんたん」(命名したのは彼女だ)起きてきて嬉しそうに尻尾を振る。相変わらず可愛い奴だ。
なぜ洗面所には鏡があるのだろうか?女性は化粧をするから必要だが男の僕には必要ない。毎朝見たくもない物を見せられるからだ。35歳。すっかりツルツルになった自分の頭皮をなでながら、もう髪の毛を洗う必要はないんだな。と毎日のように頭皮も一応洗う。

そのくせ髭だけはムダに生えてくる。自分は小柄で細身なので、髭がに合わない。
これで厳つい体型なら、髭にハゲと言うとカッコイイのだろうが、残念ながらチビガリハゲはそれほどでもないのだ。


今でこそ、自分でそこそこ認められるようになったが、思い起こせば中学の時からの永い戦いだった。
27歳の時デザイナーとして成功し、今では都心のワンルームで贅沢な暮しができている。人生には少なからず勝ったと思っている、しかし、子供のころから戦ってきた髪との戦いには負けたと言わざる得ないのではないかと。
人生果たしてこれでいいのだろうかと。悩んでいるのだ。
最初、この戦いが始まってる事に気がついたのは中学生の時だった。


中学1年の秋。僕はクラスでも変わり者だった、当時から絵を描くのが好きで漫画や色々なデザインを見てはマネして描いていた。
美術の成績は良かった方だが、運動は苦手。あの当時は運動ができるか勉強ができるヤツの方がモテていたので。当時の僕はモテたいが為にサッカー部に入った。

完全な運動音痴な僕は全くついて行けず。ボールへの反応も遅く。とにかくできない奴だった。そこで運動を諦めた僕は、勉強にひた走るのだった。

ここである勘違いに気付く。

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